田辺市HOME > 監査委員事務局 > 平成30年度公営企業会計(水道事業)決算審査の概要

平成30年度公営企業会計(水道事業)決算審査の概要

決算審査の概要

 本年度は、簡易水道事業が地方公営企業法適用により上水道事業と統合されたことに伴い、事業規模、決算規模が大幅に増加した。

 本年度の総配水量は1,093万851㎥、一日平均配水量は2万9,948㎥、総有収水量は942万9,296㎥で前年度より大幅に増加している。一方、有収率は前年度より0.42ポイント減少の86.26%で、前年度の全国平均値87.28%に比べ低い状況にある。限りある水資源を無駄なく水道水として利用していくことは、経済面だけでなく環境保全面からも大切なことであり、今後とも漏水調査と老朽管の計画的な更新を推進し、有収率の向上に取り組まれたい。

 また、有収水量1㎥当りの供給単価は153円95銭、給水原価は前年度に比べ95銭高く129円92銭となっており、差引き24円3銭の差益が生じている。

 次に、本年度の経営収支状況をみると、水道事業収益の合計額は20億9,171万7,285円で、その主要な部分を占める営業収益は、前年度に比べ1億6,200万5円(12.29%) 増の14億7,981万8,735円となっている。一方、水道事業費用の合計額は17億9,813万1,607円で、その主要な部分を占める営業費用は、前年度に比べ4億5,940万5,127円(36.16%)増の17億2,983万522円となっている。差引きすると、本年度は前年度に比べ5,242万8,219円(21.74%)増の2億9,358万5,678円の純利益を計上しているが、今後も引き続き健全経営の持続を強く望むものである。

 さらに、新たに企業債の起債により財源を確保する場合は、財政規模に見合う借入を行うとともに計画的な償還に取り組まれたい。また、未収金の管理、不納欠損処理についても、民法改正等法令への速やかな対応等、収納率の向上につながるよう努められることを望むものである。

 南海トラフを震源とした大規模地震をはじめ自然災害に備えるため、重要な課題である水道施設の耐震化・機能強化及び老朽施設の更新、管理等災害に対して強靭な水道施設の整備に引き続き取り組まれるとともに、災害時における水資源の確保に向けての取組を推し進められたい。

 簡易水道事業との統合による影響の下、これらの課題対応には多額の事業費が見込まれるなど水道事業の経営環境は厳しい状況が続くものと思われるが、施設の維持、更新及び集約に向けて積極的な取組を進め、健全な水道事業運営の持続に努められたい。

 また、安全で安心な水道水を確保し安定的に供給するため、一層の企業努力を講じられ、効率的な資本の投入や、資金の確保と経費の節減を図るなど経済性を高め、市民サ-ビスの向上に努められるよう強く望むものである。加えて、事業規模が拡大したことで、広大な市域から水資源を確保できるのか将来に向けて研究されたい。

 給水人口や料金収入の減少、簡易水道事業の統合、水道施設の更新需要の増大及び旧簡易水道施設の集約、大規模地震をはじめ自然災害への対応等、水道を取り巻く環境の転換期の中、平成31年4月に新たに策定された「田辺市新水道ビジョン」に基づき、水道事業の将来を見据え、様々な課題にも応えながら“地域とともに未来へつなぐ安全で安心な水道”が築かれることを期待する。

このページに関するお問合せ先
田辺市 監査委員事務局 お問い合わせフォームこのリンクは別ウィンドウで開きます
〒646-8545 和歌山県田辺市新屋敷町1番地 TEL 0739-26-9944 FAX 0739-22-5310
最終更新日:2020116