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令和4年度 特定環境保全公共下水道事業会計決算審査の概要

決算審査の概要

 この決算審査は田辺市監査基準(令和2年田辺市監査委員告示第1号)に準拠している。

 令和4年度は、本市の特定環境保全公共下水道事業が地方公営企業会計へ移行して3年目となる。

 本市の特定環境保全公共下水道は、平成8年に旧本宮町川湯処理区、平成14年に旧龍神村龍神温泉処理区の供用を開始し、両処理区とも温泉観光地の水質浄化を目的に地域を限定した比較的小規模な下水道事業を平成17年の市町村合併により引き継いだものである。両処理区とも温泉観光地で宿泊施設が集まっていることから、コロナ禍により観光客数が減少した影響を大きく受けていたが、その影響も緩和されてきている。

 令和4年度において、龍神温泉処理区での処理水量は4万3,971㎥、一日平均処理水量は121㎥となり、川湯処理区での処理水量は10万8,562㎥、一日平均処理水量は297㎥となり、前年度に比べ増加している。コロナ禍により営業規模の縮小を余儀なくされていた宿泊施設において、入込客数が増加傾向に転じたことよるものと見受けられる。

 一方、令和4年度の下水道使用料収入については、数年来続くコロナ禍による影響からの緩和により、前年度の1,005万8,059円に比べ19万11円(1.89%)増の1,024万8,070円となり、前年度に比べやや増加している。

 また、龍神温泉処理区と川湯処理区での特定環境保全公共下水道事業においては、温泉観光地としての環境保全という事業の性質や山村地域の離れた両処理区を対象としていることから、処理場が2か所に分散し、各々の処理区での管路布設となっている構造である。そのため、施設や管路の集約や効率化は非常に難しい現状である。

 令和4年度の経営収支状況をみると、下水道事業収益は7,110万5,385円で、下水道事業費用は5,942万5,224円となっている。差引きすると、令和4年度は前年度の1,123万8,899円に比べ44万1,262円(3.93%)増の1,168万161円の純利益が計上されている。ただし、収支において、減価償却費や長期前受金戻入の構成割合が大きく、一般会計からの補助を受けていることを考慮しておくことが肝要となる。その中でも事業活動の基盤となる下水道使用料について、引き続き収納率の向上につながるよう努められるとともに、未収金の管理及び不納欠損処理に係る債権管理についても引き続き取り組まれたい。

 現在のところ、一部の管路や施設等において耐用年数が到来したものもあるが、老朽化による大規模な修繕に伴う支出を要していない。ただし、今後は生じていくものと見込まれる。このことを踏まえ、特定環境保全公共下水道事業における効率的かつ安定した経営を図られるよう期待したい。また、公衆衛生と良好な水環境を保ち、健全で持続可能な特定環境保全公共下水道事業を目指すことにも期待したい。

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最終更新日:2024219