「くじら物語」(11)

くじら物語
迷い込んでから、20日あまりたった午後10時すぎのことです。見守り隊の職員から、思いもよらない一報が届きました。くじらの姿が、今までいた海岸付近には、見当たらないとの連絡でした。調査本部は、その連絡に色めき立ちました。あれほど、弱っていたと言われていたくじらの姿が、消えてしまったのです。浅瀬のため、死んでしまって沈んでいるとは、考えられません。沖の方向へ泳ぎ出したのか。もしかして、奇跡が起こったのでは?

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