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令和2年度 特定環境保全公共下水道事業会計決算審査の概要

決算審査の概要

 この決算審査は、令和2年4月1日施行の田辺市監査基準(令和2年田辺市監査委員告示第1号)に準拠している。

 令和2年度は、本市の特定環境保全公共下水道事業が地方公営企業会計へ移行した初年度となる。そのため、人口や水量など業務的な事項は前年度以前と比較できるが、経営成績や資産状況などは単純に比較できないものがある。

 本市の特定環境保全公共下水道は、平成8年に旧本宮町川湯処理区、平成14年に旧龍神村龍神温泉処理区の供用を開始し、両処理区とも温泉観光地の水質浄化を目的に地域を限定した比較的小規模な下水道事業を平成17年の市町村合併により引き継いだものである。

 令和2年度において、龍神温泉処理区での処理水量は3万7,349㎥、一日平均処理水量は102㎥となり、川湯処理区での処理水量は7万3,216㎥、一日平均処理水量は201㎥となり、前年度より減少している。両処理区とも温泉観光地であり宿泊施設が集まっていることから、観光客数の増減による処理水量の影響を受けやすい。特に、令和2年度には、コロナ禍により観光客数が減少した影響を受けている。

 令和2年度の下水道使用料収入については、地方公営企業会計へ移行した初年度であるため、前年度と一概に比較できないが、コロナ禍による観光客数の減少の影響を受け、大幅に減少している。

 また、龍神温泉処理区と川湯処理区での特定環境保全公共下水道事業においては、温泉観光地としての環境保全という事業の性質や山村地域の離れた両処理区を対象としていることから、処理場が2か所に分散し、各々の処理区での管路布設となっている構造である。そのため、施設や管路の集約や効率化は非常に難しい現状である。

 令和2年度の経営収支状況をみると、下水道事業収益の合計額は7,486万4,860円で、下水道事業費用の合計額は6,498万8,877円となっている。差引きすると、987万5,983円の純利益が計上されている。ただし、収支において、減価償却費や長期前受金戻入の構成割合が大きく、一般会計からの補助を受けていることを考慮しておくことが肝要となる。その中でも事業活動の基盤となる下水道使用料について、引き続き収納率の向上につながるよう努められるとともに、未収金の管理及び不納欠損処理に係る債権管理についても引き続き取り組まれたい。

 来年度以降は、地方公営企業会計基準に沿って収支を算定し、損益計算書や貸借対照表などの財務諸表を作成し分析していくことで、財政状況、経営成績及び資金の流れをより的確に把握することが可能となることで、今後の特定環境保全公共下水道事業における効率的な経営を図られるよう期待したい。また、公衆衛生と良好な水環境を保ち、健全で持続可能な特定環境保全公共下水道事業を目指すことにも期待したい。

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最終更新日:2023118