所得控除とは、納税義務者に控除対象扶養親族(扶養親族のうち、一定の所得金額を超えない方)がいるかどうか、病気や災害などによる出費があるかどうかなどの個人的な事情を考慮して、納税義務者の実情に応じた税の負担になるように、所得金額から一定金額を差し引くものです。

雑損控除

前年中に納税義務者または自己と生計を一にする配偶者その他の親族(前年の総所得金額等が58万円以下(令和7年度以前は48万円以下、令和2年度以前は38万円以下)の方)が、災害又は盗難若しくは横領によって住宅や家財(生活に通常必要でない資産等を除く。)などに損害を受けた場合には、雑損控除を受けることができます。

雑損控除額の計算

次のいずれか多い方の金額です。

  1. 差引損失額-総所得金額等×10%
  2. 差引損失額のうち災害関連支出の金額-5万円

医療費控除

通常の医療費控除

前年中に納税義務者が、自己または自己と生計を一にする配偶者その他の親族のために一定額を超える医療費を支払った場合には、医療費控除を受けることができます。

保険金などで補塡される金額は、病院などに支払った医療費のうち、生命保険契約などで支給される入院費給付金や健康保険などで支給される高額療養費等です。

医療費控除を受ける方は、「医療費控除の明細書」を添付し、医療費の領収書は自宅で5年間保存してください。

医療費控除額の計算 <控除限度額200万円>

(支払った医療費の合計額-保険金などで補塡される金額)-10万円

<注意>前年の総所得金額等が200万円未満の方は、10万円ではなく、総所得金額等の5パーセントの金額を差し引きます。

セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)

前年中に納税義務者が、健康の保持増進及び疾病の予防への取組として一定の健康診査や予防接種などを行い、自己または自己と生計を一にする配偶者その他の親族のために特定一般用医薬品等購入費(医師によって処方される医療用医薬品から薬局などで購入できるOTC医薬品に転用された医薬品等の購入費)を支払った場合には、セルフメディケーション税制の適用を受けることができます。

セルフメディケーション税制を受ける方は、「セルフメディケーション税制の明細書」を添付し、購入費の領収書及び一定の取組を行ったことを明らかにする書類は自宅で5年間保存してください。

なお、この控除を受ける方は、通常の医療費控除を受けることができません。

セルフメディケーション税制の控除額の計算 <控除限度額8万8千円>

支払った金額-保険金などで補塡される金額-1万2千円

社会保険料控除

前年中に納税義務者が、自己または自己と生計を一にする配偶者その他の親族が負担すべき社会保険料(国民健康保険、後期高齢者医療保険、介護保険、雇用保険、国民年金、厚生年金など)を支払った場合には、その支払った金額の全額について社会保険料控除を受けることができます。

ただし、配偶者その他の親族が受け取る年金から天引きされている介護保険料等は、控除の対象にはなりません。

小規模企業共済等掛金控除

前年中に納税義務者が、小規模企業共済掛金(旧第二種共済掛金を除く。)、確定拠出年金法に規定する年金加入者掛金、地方公共団体が実施する心身障害者扶養共済制度の掛金を支払った場合には、その支払った掛金の全額について小規模企業共済等掛金控除を受けることができます。

生命保険料控除

前年中に納税義務者が、自己または配偶者その他の親族を受取人とする一般生命保険料、個人年金保険料、介護医療保険料を支払った場合には、生命保険料控除を受けることができます。

生命保険料控除額の計算 <控除限度額7万円>

保険料等の区分ごとに、下表により控除額を計算します。

それぞれの控除額を合計した金額が生命保険料控除額となりますが、全体の控除限度額は7万円です。

一般生命保険料又は個人年金保険料にそれぞれ新制度(平成24年1月1日以後締結分)と旧制度(平成23年12月31日以前締結分)の双方がある場合には、それぞれの計算区分によって計算した控除額の合計額(控除限度額28,000円)と、旧制度の計算区分によって計算した控除額のいずれか有利な方を選択します。

保険料等の区分別の生命保険料控除額算定表
契約 保険料等の区分 支払保険料等の金額 生命保険料控除額

新制度

一般生命保険料
個人年金保険料
介護医療保険料

12,000円以下 支払保険料等の全額
12,000円超 32,000円以下 支払保険料等×1/2+6,000円
32,000円超 56,000円以下 支払保険料等×1/4+14,000円
56,000円超 28,000円

旧制度

一般生命保険料
個人年金保険料
15,000円以下 支払保険料等の全額
15,000円超 40,000円以下 支払保険料等×1/2+7,500円
40,000円超 70,000円以下 支払保険料等×1/4+17,500円
70,000円超 35,000円

 

地震保険料控除

前年中に納税義務者が、自己または自己と生計を一にする配偶者その他の親族が所有する住居用家屋や生活用動産にかかる損害保険契約等について、地震等損害部分の保険料を支払った場合には、地震保険料控除を受けることができます。

ただし、経過措置として平成18年12月31日までに締結した長期損害保険契約等に係る旧長期損害保険料については、従前の長期損害保険料控除を適用することができます。

地震保険料控除額の計算 <控除限度額2万5千円>

保険料等の区分ごとに、下表により控除額を計算します。

それぞれの控除額を合計した金額が地震保険料控除額となりますが、全体の控除限度額は2万5千円です。

保険料等の区分別の地震保険料控除額算定表
保険料等の区分 支払保険料等の金額 地震保険料控除額
地震保険料 50,000円以下 支払保険料等×1/2
50,000円超 25,000円
旧長期損害保険料 5,000円以下 支払保険料等の全額
5,000円超 15,000円以下 支払保険料等×1/2+2,500円
15,000円超 10,000円

 

寡婦控除

前年の12月31日現在、納税義務者が「ひとり親」に該当せず、次のいずれかに該当する場合には、26万円の寡婦控除を受けることができます。

  1. 夫と離婚した後婚姻をしておらず、扶養親族がいる方で、前年の合計所得金額が500万円以下の方。
  2. 夫と死別した後婚姻をしていない方又は夫の生死が明らかでない方で、前年の合計所得金額が500万円以下の方。

ただし、事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる方がいる場合(住民票の続柄に「夫(未届)」「妻(未届)」などの記載がある場合)は対象となりません。

ひとり親控除

前年の12月31日現在、納税義務者が婚姻をしていない方又は配偶者の生死が明らかでない方で、次の三つの要件全てに該当する場合には、30万円のひとり親控除を受けることができます。

  1. 事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる方がいない方。
  2. 生計を一にする子(前年の総所得金額等が58万円以下(令和7年度以前は48万円以下、令和2年度以前は38万円以下)で、他の方の同一生計配偶者や扶養親族になっていない方に限る。)がいる方。
  3. 前年の合計所得金額が500万円以下の方。

勤労学生控除

前年の12月31日現在、次の三つの要件全てに該当する場合には、26万円の勤労学生控除を受けることができます。

  1. 給与所得などの勤労による所得がある方。
  2. 前年の合計所得金額が85万円以下(令和7年度以前は75万円以下、令和2年度以前は65万円以下)で、かつ、勤労による所得以外の所得が10万円以下の方。
  3. 特定の学校の学生、生徒である方。

障害者控除

前年の12月31日現在、納税義務者または自己の同一生計配偶者、扶養親族が次のいずれかに該当する場合には、1人につき26万円(特別障害者に該当する場合は30万円)の障害者控除を受けることができます。

また、同居特別障害者(特別障害者である同一生計配偶者や扶養親族で、自己または配偶者、生計を一にする親族のどなたかとの同居を常としている方)に該当する場合には、1人につき53万円の障害者控除を受けることができます。

手帳等級別の障害者控除区分一覧表
区分 身体障害者手帳 療育手帳

精神障害者

保健福祉手帳

戦傷病者手帳
特別障害者 1級、2級 A 1級 特別項症から第3項症
その他障害者 3級から6級 B 2級、3級 第4項症以下

<注意>上記以外でも、障害者控除を受けられる場合があります。

配偶者控除

前年の12月31日(年の中途で死亡した場合には死亡した日)現在、納税義務者と生計を一にし、前年の合計所得金額が58万円以下(令和7年度以前は48万円以下、令和2年度以前は38万円以下)の配偶者(青色事業専従者等を除く。)がいる場合、配偶者控除を受けることができます。

ただし、納税義務者の前年の合計所得金額が1,000万円を超える場合、配偶者控除を受けることはできませんが、「同一生計配偶者」として扶養親族等の人数には含まれます。(平成30年度以前は、納税義務者の所得制限はありませんでした。)

納税義務者の合計所得金額別の配偶者控除額一覧表
区分 納税義務者の合計所得金額
900万円以下

900万円超

950万円以下

950万円超

1,000万円以下

控除対象配偶者 33万円 22万円 11万円

老人控除対象配偶者

(70歳以上)

38万円 26万円 13万円

 

 

 

配偶者特別控除

前年の12月31日(年の中途で死亡した場合には死亡した日)現在、納税義務者と生計を一にし、前年の合計所得金額が58万円超133万円以下(令和7年度以前は48万円超133万円以下、令和2年度以前は38万円超123万円以下、平成30年度以前は38万円超76万円未満)の配偶者(青色事業専従者等を除く。)がいる場合、配偶者特別控除を受けることができます。

なお、配偶者特別控除は夫婦の間で互いに受けることはできません。また、配偶者控除と配偶者特別控除についても、夫婦の間で互いに受けることはできません。

納税義務者および配偶者の合計所得金額別の配偶者特別控除額一覧表
配偶者の合計所得金額 納税義務者の合計所得金額
900万円以下

900万円超

950万円以下

950万円超

1,000万円以下

58万円超 100万円以下 33万円 22万円 11万円
100万円超 105万円以下 31万円 21万円 11万円
105万円超 110万円以下 26万円 18万円 9万円
110万円超 115万円以下 21万円 14万円 7万円
115万円超 120万円以下 16万円 11万円 6万円
120万円超 125万円以下 11万円 8万円 4万円
125万円超 130万円以下 6万円 4万円 2万円
130万円超 133万円以下 3万円 2万円 1万円
133万円超 適用なし

 

扶養控除

前年の12月31日(年の中途で死亡した場合には死亡した日)現在、納税義務者と生計を一にする配偶者以外の親族(他の方の扶養親族とされている方や青色事業専従者等を除く。)のうち、扶養親族の前年の合計所得金額が58万円以下(令和7年度以前は48万円以下、令和2年度以前は38万円以下)である場合には、扶養控除を受けることができます。

なお、16歳未満の扶養親族については、扶養控除を受けることはできませんが、市民税・県民税の非課税限度額の算定等において扶養親族等の人数には含まれます。

扶養親族の区分別の扶養控除額一覧表
区分 扶養控除額

一般の控除対象扶養親族

(16歳以上19歳未満、23歳以上70歳未満)

33万円

特定扶養親族

(19歳以上23歳未満)

45万円

老人扶養親族

(70歳以上)

同居老親等 45万円
同居老親等以外 38万円

※「同居老親等」とは、老人扶養親族のうち、納税義務者または配偶者の直系尊属で、自己または配偶者との同居を常としている方。

特定親族特別控除

前年の12月31日(年の中途で死亡した場合には死亡した日)現在、特定親族(納税義務者と生計を一にする年齢19歳以上23歳未満の親族で、前年の合計所得が58万円超123万円以下の方。配偶者や青色事業専従者等を除く。)がいる場合は、特定親族の前年の合計所得金額に応じて、特定親族特別控除を受けることができます。

この特定親族特別控除は、令和7年度税制改正により創設され、令和8年度から適用されます。

特定親族の合計所得金額別の特定親族特別控除額一覧表
特定親族の合計所得金額 特定親族特別控除額
58万円超 95万円以下 45万円
95万円超 100万円以下 41万円
100万円超 105万円以下 31万円
105万円超 110万円以下 21万円
110万円超 115万円以下 11万円
115万円超 120万円以下 6万円
120万円超 123万円以下 3万円
123万円超 適用なし

 

基礎控除

納税義務者の前年の合計所得金額に応じて、基礎控除を受けることができます。

合計所得金額別の基礎控除額一覧表
合計所得金額 基礎控除額

2,400万円以下

43万円
2,400万円超 2,450万円以下 29万円
2,450万円超 2,500万円以下 15万円
2,500万円超 適用なし