特別展 原勝四郎展 南海の光を描く
原 勝四郎(はら かつしろう/ 1886–1964)は、現在の和歌山県田辺市に生まれた画家です。絵画を学ぶため、東京、そしてヨーロッパにも赴きますが、帰国後は郷里に戻り、生地に隣接した現在の白浜町で家族と暮らしながら、絵を描き続けました。
原が描いたのは、明るく美しい田辺や白浜の風景と、そこに暮らす妻と子と自分の姿、そしてバラの花を主とする静物です。のびやかで力強い筆致と鮮やかな色彩による画面は心地良く、その生き生きとした作品の持つ力は、没後半世紀を経た今でも色あせず、見る者を魅了します。
原を画家として開花させ、その活動を支えたのは紀南の風土と人びとでした。明るい光に満たされたこの地の風景と向き合うなかで、原は自らの表現を作り上げ、その作品を愛した人びとが、画家の存在を見守り続けました。
この度の展覧会は、今も多くの人びとから愛され続ける画家の生涯をたどる、半世紀ぶりの大規模な回顧展として、和歌山県内のふたつの美術館が共同で開催します。和歌山県立近代美術館では、各時代の主要な作品を通して、その画業を通観できるよう展示を構成します。田辺市立美術館では、同じく絵を描いた兄や弟、また地元で交流のあった芸術家たちについても触れ、その生きた時代の地域における芸術活動についても紹介します。
両館での展示を通して、地方にありながら日本の近代美術に大切な足跡を残した画家の生涯と時代とを、ご覧いただきます。
開催期間 2023年10月7日(土) ~ 12月3日(日)
開館時間 午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日 毎週月曜日(ただし10月9日は開館)
10月10日(火)・11月24日(金)
観覧料 600円(480円)
( )内は20名様以上の団体料金
※学生及び18歳未満の方は無料です。
主 催 和歌山県立近代美術館、田辺市立美術館
助 成 一般財団法人 地域創造
関西文化の日 11月18日(土)・11月19日(日)は無料です。
展示解説会 10月14日(土)・11月11日(土) 午後2時から
当館学芸員が行います。
予約不要、観覧料が必要です。