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市長のコラム

サプライズ  (平成25年10月3日)

 「今頃?」との批判は免れようのないところだが、最近、扇ヶ浜で実にいい「句」に出会った。
 『美しき 波と遊びて 貝拾えず』
第5回田辺市文化賞受賞者で、地元が生んだ俳人、福本鯨洋翁の「句」である。
 俳句の心得など全くない者が、田辺市文化賞受賞者の、しかも代表的な「句」を評するつもりなど毛頭ない。しかし、今日の田辺市のまちづくりに大切な考え方として、紹介するぐらいは許されるだろう。
 作者は貝を拾いに海に出た。『目的』は、当然ながら「貝を拾うこと」に他ならない。ところが海辺に出て美しい「波」と出合い、そして、あまりの美しさに「波」と戯れ、「貝を拾えなかった」というのだ。
 田辺市は、まちづくりの柱のひとつに「観光」を掲げている。「もう一度行ってみたい」と思える優良な観光地には、いくつかの大切な要素がある。中でも「サプライズ」があったか否かは、重要なポイントの一つと言ってもいいだろう。「熊野古道を歩こうと駅に降りたところ、大変親切な人に出会った」とか、「下調べなしで飛び込んだ飲食店が、ことのほかおいしかった」とか、「その日の朝霧や夕日が想像以上にきれいで感動した」等、例を挙げればきりがない。このように、「貝拾い」を忘れて「波」と遊んでしまうほどの「サプライズ」を提供できれば、本市が目指す「世界的観光地」も夢ではなくなるのではないだろうか。
 折も折、来年は「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産に登録されて10周年という節目を迎える。単なるイベントの消化に終わるのではなく、当地を訪れる人々に、たとえ小さくてもいい、どの様な「サプライズ」を提供できるか、みんなで心して取り組みたい。
 

 平成25年10月3日

shomei  

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最終更新日:2022330