田辺市の地域産品 郷土料理
自然豊かな田辺市で歴史と文化が育んだ郷土料理ご紹介します。
南蛮焼・ごぼう巻(蒲鉾)
田辺市の代表的な名産「南蛮焼(なんばやき)」は、魚の身を崩して、すり身にして焼いていることから、「焼きくずし」、または単に「くずし」とも言われています。
エソとグチという魚を主な原料としており、方形で、盛り上がった表面に丸い焼き型のついた形や味に特色がある蒲鉾です。
この南蛮焼が、いつから作り出されたかは不明ですが、熊代繁里(1818〜1876)の『熊野日記』から、江戸時代の後期にはすでに外部への贈り物にされていたことがわかります。
南蛮焼は福路町と密接な関係にあります。福路町は、鮮魚商の町として知られた所で、鮮魚を扱う店が軒を連ねていたことから、この地で、加工品である蒲鉾が作られるようになり、いつしか、「かまぼこ通り」などと呼ばれるようになりました。
「ごぼう巻」は、南蛮焼と並ぶ田辺市の名産で、軟らかく茹でたごぼうと魚のすり身をエソ・グチの魚皮で巻き、表面を焼くことで香ばしさを出し、秘伝のタレにつけ込んだ逸品です。
茶がゆ
紀州では、古くより常食は茶がゆでした。農村でも漁村でも山村でも、少ないお米を節約しようと水の割合を多くし、顔が映るような「茶がゆ」を朝、昼、晩と食べていました。
粗食の代表のような茶がゆですが、ほうじ茶が香ばしく、サラサラとした喉越しで、この地方で毎日のように食べられてきた伝統的な料理です。
冬は暖めて食べ、夏は冷たいままさらさらっと食べ、また、小腹が空いたときにも梅干しや漬物などを添えて軽く茶がゆを食べるというのは、この地方の伝統的なスタイルで古くから親しまれてきました。
茶がゆの作り方