くまびで作ろう!3 つみきの灯台
田辺市立美術館では、熊野古道なかへち美術館(田辺市立美術館分館)で行う、アーティストと参加者とが一緒になって作るワークショップ「くまびで作ろう!」を令和4年度から開始しています。この「くまびで作ろう!」は、「熊野古道なかへち美術館(くまび)」という小さな場所から、大きな「熊野の美術(くまび)」を生み出す試みです。
第3回目となる今回は、場所や人、物の記憶をテーマにインスタレーションを制作している河野愛(かわの・あい/1980~ )さんを講師にお招きします。
河野さんは、祖父母が営んでいた白浜のホテルのネオンサインの一部、〈 I 〉や〈 O 〉を用いたインスタレーションを近年制作しています。ネオンサインを灯台のように海辺の桟橋の突端にポツンと置いたり、高く積み上げたりするそれらの作品は、ネオンサインや場所の持つ記憶、時間と、人とが複層的につながる場を提示しているように感じられます。また今回のワークショップは、河野さんが和歌山ゆかりの抽象画家、村井正誠(むらい・まさなり/1905~1999)の造形の試み「クッツケルアート」からもインスピレーションを得ています。
こうした河野さんの作品や制作についての話をうかがった上で、事前に集めた使われなくなった積み木を積み上げたりくっつけたりしながら、積み石のような、道標のような、灯台のようなオブジェを作る内容です。
参加者自身の積み木にまつわる記憶や、今回集まった積み木に詰まっているそれぞれの時間が結びついて、目印のような灯台を作ることを目指したいと思います。
会場 熊野古道なかへち美術館
日時 3月20日(木・祝) 午後1時~3時
対象 小学3年生以上
※小学生の参加者は保護者の同伴が必要です
定員 10名(先着順・参加費無料)
※3月1日(土)午前10時から電話(田辺市立美術館:0739-24-3770)及び
申込フォームにて予約の受付を開始します。
講師 河野 愛(かわの・あい/美術家)
1980年生まれ。大阪市在住。2007年京都市立芸術大学大学院 美術研究科修士課程 工芸専攻 染織 修了。染織やテキスタイルを制作におけるルーツとし、陶やガラス、布、収集した骨董、写真、映像などを複合的に用いながら、場所や人の記憶や時間、価値の変化をテーマにしたインスタレーションを発表している。
近年の主な展覧会に、「Soft Territory かかわりのあわい」滋賀県立美術館(2021)、紀南アートウィーク(2021)、大阪関西国際芸術祭(2022)、なつやすみの美術館14 河野愛「こともの、と」和歌山県立近代美術館(2024)など。
作品公開
ワークショップでつくった灯台を一週間公開して、紹介します。