田辺市消防団中辺路支団救助隊 和歌山県防災航空隊と合同訓練を実施!
訓練を重ねてきた田辺市消防団中辺路支団救助隊が実践訓練を行いました。
目的
山岳救助事案において和歌山県防災ヘリコプター(南和歌山医療センター医師同乗)を要請した活動を想定し、田辺市消防団中辺路支団救助隊、和歌山県防災航空隊及び田辺消防署中辺路分署隊の連携強化を図ることを目的とする。
訓練実施隊
地上隊:田辺市消防団中辺路支団救助隊(以下「中辺路支団救助隊」という。)隊長以下22名
田辺消防署中辺路分署隊 (以下「中辺路分署隊」という。)小隊長以下5名
上空隊:和歌山県防災航空隊 副隊長以下6名
南和歌山医療センター 医師1名
※上空隊とは:和歌山県防災ヘリコプターにパイロット、航空隊員、さらにミッションにより医師が搭乗した隊
南紀白浜空港に基地があり、災害現場上空に飛来し活動を行う。
【想定】
成人男性、山林作業中に伐採した木が接触し負傷したもの。
意識レベルはJCS1、ショック症状及び骨盤骨折の疑い。
訓練実施隊員から一言
【中辺路分署隊 隊員から一言】
田辺市消防団中辺路支団救助隊が発足し、訓練を重ねてきて初の実践訓練となりました。管内は山間部が多く、登山者や山林作業者によるの事故が発生しております。そのような事案に対応すべく、複数の機関が連携して訓練を行えたことは有意義でした。
有事の際は、各機関が連携して救出活動を行うことが要救助者にとって最も有益であると再認識しました。個人としても訓練を重ね、技術の向上に努めます。
【和歌山県防災航空隊 副隊長から一言】
今回のような山岳救助事案では、地上隊の活動のみでは救出活動に時間を要します。さらに事故に遭われた方は緊急性、重症度の高い方がほとんどであることから、南和歌山医療センターの医師が防災ヘリコプターに搭乗し、航空隊員とともにホイスト降下により災害現場に合流し、救助活動と並行して医療活動を行うことで救命に努めています。
また、中辺路支団救助隊には、防災ヘリコプターの有益性や注意すべき点を体感してもらい、理解してもらえたと思います。
今後も安全運航に心がけ、県民の皆様の安全を守ります。
訓練内容
【引上げ救出】
中辺路分署隊が要救助者付近まで到着し活動を開始する。
要救助者は、登山道から約25m下の斜面で負傷し動けなくなっており、中辺路支団救助隊が到着するまで救出準備を行う。
中辺路支団救助隊が到着後、協力して担架に収容されている要救助者の引上げ救出を開始する。
【ピックアップポイントの作成】
登山道まで救出した要救助者を徒手搬送しては救出に時間を要するため、防災ヘリコプターにより早期に救出する方法を選択する。
防災ヘリコプターによる救出スペース(ピックアップポイント)を作るため、中辺路支団救助隊により樹木の伐採作業を行う。(樹木の伐採は許可を得ています。)
約20分で30m×25mのスペースが確保される。
【防災ヘリコプター上空へ到着】
防災ヘリコプターが上空へ到着、ピックアップポイントを確認後、航空隊員(R1)をホイスト降下する。
降下後、地上隊の中辺路分署隊と接触し、状況の確認を行う。
【医師により救命処置を行い、ピップアップポイントへ移動】
医師が航空隊員(R2)とともに地上にホイスト降下し、要救助者の観察及び静脈路確保(点滴)の処置を行う。
中辺路支団救助隊と協力し、要救助者をピックアップポイントまで担架搬送する。
【担架の最終確認を行い、ピックアップしてヘリコプターへ収容】
ピックアップポイントで、要救助者を縛着した担架の最終確認を行う。
要救助者を収容した担架と航空隊員(R2)をピックアップし、防災ヘリコプターの機内に収容する。
【航空隊員(R1)と医師をピックアップし、訓練終了】
要救助者を機内に収容後、地上の医師及び航空隊員(R1)が協力してホイストワイヤーをたぐり寄せ、二人同時にピックアップし機内に収容する。