田辺市HOME > 土地対策課 > 土地分類調査 [土地対策課] > 1-2.土地条件調査

1-2.土地条件調査

土地条件調査は、土地の自然条件を明らかにするために、地形・表層地質・土壌について、その性状(物理的・科学的性質)や分布状況等について調査を行いました。

土地条件

調査結果

(1)地形の状況

田辺市の地形は、大きく山地・丘陵地、台地・扇状地及び低地の三つに分けることができます。山地は中央部以北に分布し、その南側に丘陵地が広い面積を占めています。低地は左会津川、右会津川、芳養川流域に細長く広がり、中心市街地や芳養町の市街地は砂州の上に形成されています。台地や扇状地は丘陵地と低地の間の狭い範囲に分布しています。人工改変地形は、南部を中心に広く行われている宅地開発や中山間部の農地造成により、面積が増えています。


 

◆地形分類図 ◆ひき岩群(ケスタ地形)
あああ ひき岩

 


(2)表層地質

田辺市の基盤岩は、四万十累層群を構成する暁新統−下部始新統の音無川層群、中部始新統−下部中新統の牟婁層群とこれらを傾斜不整合で覆う中部中新統の田辺層群からなります。
海岸及び河川に沿って段丘堆積物が分布するとともに、河口付近を中心に沖積層が発達しています。四万十累層群は、おおむね地質時代の新しい地層が南に分布し、北には古い地層が分布しています。音無川層群と牟婁層群は、本宮断層によって境されています。段丘堆積物と沖積層は、未固結の地層です。

◆表層地質図 ◆Al4の礫まじり砂岩層中に
 発達する斜交葉理(目良)
◆瓜谷累層最上部の赤色泥岩・
 緑色泥岩(白い部分は砂岩層)
 (秋津川のパイロット農地)
表層地質図 Al4の礫まじり砂岩層中に発達する斜交葉理(目良) 瓜谷累層最上部の赤色泥岩・緑色泥岩(白い部分は砂岩層)(秋津川のパイロット農地)

(3)土壌の状況

 

サンプル画像本地域のうち山地・丘陵地地域(林野)の土壌は、大別して褐色森林土壌と残積性未熟土壌からなり、海岸部の砂岩が優勢な地域には残積性未熟土壌が多く、内陸部の大半は褐色森林土壌が分布しています。各土壌の生産力は、褐色森林土壌(黄褐系)が最も生産力が高く、スギ、ヒノキの適地ですが、本地域には少ないです。乾性褐色森林土壌のところは比較的生産力が低く、一部でヒノキの植林が可能な他は、マツ類の植林か天然更新による以外にありません。残積性未熟土壌は生産力が非常に低いです。
農地土壌は、河川流域の低地や台地に分布し、低地部には河成水積地の水田土壌が分布し、丘陵地や山地には、残積〜崩積地の樹園地土壌が分布しています。水田土壌としては灰色低地土壌、グライ土壌があります。グライ土壌は排水が不良で、過湿の恐れがある他は、生産性は比較的良いです。樹園地土壌としては、褐色森林土壌、黄色土壌があり、傾斜地であることから土壌浸食の恐れが多いですが、生産力は比較的良いです。


(4)土地条件図

 

サンプル画像土地条件図は、地形・表層地質・土壌の3つの調査結果を重ね合わせて1枚の図幅で総合的に読みとれるようにしたもので、主として自然災害に対する安全性や土地利用の適性に視点をおいて編集を行い、右ページに示すように土地条件図として作成したものです。
山地・丘陵地については、槇山、高尾山、三星山周辺に急傾斜地が多いことや、本宮断層等地質構造的に弱い区域があることから、土砂災害に留意する必要があります。低地については、水害に対する配慮や地震時の土地の液状化、津波災害への留意が必要です。また、山地部、丘陵地では表層地質や傾斜を考慮した土地利用が必要です。砂質系岩石の区域は風化に比較的強く土壌生産力が低いので、農地造成や自然林の伐採等には十分な配慮が必要です。

 

 

 

 


このページに関するお問合せ先
田辺市 土地対策課 土地対策課へのお問い合わせフォームこのリンクは別ウィンドウで開きます
〒646-8545 和歌山県田辺市新屋敷町1番地 TEL 0739-26-9915 FAX 0739-26-0373
最終更新日:20151027