まちづくり報告会
令和5年10月から12月にかけて、市内の16会場でまちづくり報告会を実施し、市長から「これからのまちづくり」について説明するとともに、ご参加いただいた皆さんと意見交換を行いました。
たくさんのご意見をいただいた中から、一部を紹介します。
主なご意見とその回答
道路整備
■ご意見
交差点に立ち、子どもの登下校を見守っていますが、横断歩道や一時停止の白線が薄れてきており、通行車両が徐行や一旦停止してくれないので危険です。子どもの安全を守るため、白線の整備をお願いします。
●回答
横断歩道や停止線、センターライン等が薄くなっている箇所があることは認識しています。横断歩道や停止線などの道路標示については警察署、センターラインや外側線等の区画線については各道路管理者において設置及び管理をしています。
線が薄くなっている箇所は引き直しをさせていただいていますが、整備が必要な箇所が多いため、現場を確認させていただきながら順次対応していきたいと思います。
公共交通
■ご意見
田辺市はどこに行くにも車が必要です。若いうちは運転できますが、高齢になり免許を返納すると、買い物や通院ができなくなります。気軽に外出できるような交通手段を考えてください。
●回答
路線バスや住民バス、スクールバスなどの交通手段を確保していますが、高齢化に伴い、より利用しやすい交通手段のご要望を市内各地からいただいています。ご要望に応じた交通手段の導入について調査・研究を行っていますが、人口が少なく広大な面積の本市では、現時点で要望に沿った交通システムの導入には至っていません。
令和2年11月に改正された地域公共交通の活性化及び再生に関する法律では、従来のバスやタクシーといった公共交通を最大限に活用した上で、地域の多様な輸送資源を総動員して、要望にきめ細やかに対応する取組を促すこととなっていることから、引き続き、調査・研究を行い、令和7年度から令和12年度が計画期間となる、地域公共交通計画策定の中でも、しっかりと議論を行ってまいります。
町内会活動
■ご意見
人口減少や高齢化により地域のつながりが希薄化し、町内会加入者が減少しているため、町内会役員のなり手が不足し、町内会活動の維持が難しくなっています。町内会の負担を減らし、活動への支援をお願いします。
●回答
町内会は、一定の地域に住む住民同士が協力して住みよい地域社会を作るために組織された団体です。その目的を果たすために、防犯灯などの身近な環境の整備・管理、区域内の清掃・美化、防災・防犯活動、さらには夏祭りなどの親睦行事が行われてきました。しかし、近年の人口減少と相まって高齢化が進み、また、個人の価値観の多様化などから、町内会活動に関心のない世帯が増えてきています。そのため、これまでのような地域活動の維持が難しくなってきていることは認識しています。
そうした状況を受け、市としましては、皆様の負担をできるだけ減らすような方法について調査・研究していきたいと考えています。その一環として、「田辺らしい自治のあり方研究モデル事業」に取り組んでおり、令和5年8月から新庄地域をモデル地域として、世代も立場も異なる皆さんが集まって地域の将来を考える“住民の集い“が始まっています。「地域コミュニティをどう支えるのか」という重要な課題について、地域の皆様とともに丁寧に考えてまいります。
防災
■ご意見
民生委員として、支援が必要な方の情報を共有していますが、災害時に防災行政無線放送が聞こえないという声があります。家の中でも放送が聞こえるように機器を設置するという話があったかと思うのですが、いつ頃設置されますか。
●回答
携帯電話をお持ちでない方や、防災行政無線放送が聞き取りにくい方には、現在戸別受信機を貸し出していますので、防災まちづくり課(電話 0739-26-9976)までお申し出ください。
また、放送後にもう一度放送内容を確認したい場合は、防災行政テレフォンガイド(電話 0120-963-910、通話料無料)をご利用ください。
雇用創出
■ご意見
高校卒業後、ほとんどの若者は田辺を出て就職しています。地元でも魅力ある仕事を創出できないでしょうか。
●回答
令和5年7月時点のハローワーク田辺管内の有効求人倍率は1.47倍で、仕事を探している人よりも、働く人を探している事業所の方が多い状況となっています。市では田辺商工会議所等と連携し、市内での就職を希望される方を対象にした合同企業説明会「Uターンフェア」を開催しており、Uターン就職や地元への定着を促進しています。
また、人口減少に起因する様々な地域課題の解決に向け、自身の強みを生かしてビジネス視点で取り組む人材の育成事業「たなべ未来創造塾」を平成28年度から実施しています。地域で活躍する人材がたくさん増えることで地域活性化を図り、ひいては、若者の「田辺で働きたい」「田辺に帰ってきたい」との想いにつなげていけるよう、引き続き取り組みます。また、今後も県や関係団体と連携し、地元の暮らしやすさ、地元で働くことのメリット、地元企業の魅力等をPRしながら、若者の流出防止となるような雇用機会の確保に努めていきます。
空き家対策
■ご意見
空き家となっている家と畑をただであげたいが誰かいないかという話をよく聞きます。市で買い取って、移住してくる方に貸し出すなどの空き家対策はできませんか。
●回答
空き家を市で買い取ることはできませんが、空き家バンクという制度があり、住宅を貸したい人と借りたい人の斡旋をしているので、貸していただける家屋があれば、ぜひ登録をお願いします。また、県外からの移住に際して家屋の修繕が必要な場合は、費用の一部を補助する制度もありますので、市に一度ご相談ください。
市庁舎移転
■ご意見
新庁舎周辺道路の交通量の増加が予想され、交通事故が心配です。信号機の設置など、安全対策をお願いします。
●回答
新庁舎開庁時点における交通混雑の想定をするために、平成30年度に交通量推計及び交通シミュレーションを行いました。その結果、新庁舎開庁時点での交通混雑は、オークワオーシティ田辺店の営業当時を上回らないとの結果が出ています。
しかしながら、更なる安全性向上のため、注意を促す路面標示、減速を促す減速帯の設置等を行い、横断歩道も設置する予定です。また、今後実施する道路整備についても安全対策に万全な注意を払ってまいります。
子育て支援
■ご意見
子育て支援がしっかりしている自治体は人口が増えていると聞きます。子育てしやすい地域であれば、移住したい、戻ってきたいと思ってくれるのではないでしょうか。
●回答
田辺市では子どもを産み育てやすい環境を作るため、「みんなで子育て応援プログラム」として様々な部署で、積極的に取り組んでいます。これからもできるだけ若い人に来てもらえるような仕掛けを続け、子育て支援も含めて努力していきたいと思います。
農業用水路
■ご意見
現在の用水路は、大雨が降ったときに川から用水路に水が入らないように水門を閉め、家庭や道路から流れてくる水を川に流すという大事な役割があり、農業用水の確保というよりも、災害時や洪水時の排水設備としての価値のほうが重要になっていると思います。用水路の受益者は農家だけでなく市民全員が受益者といえるので、用水路の維持管理に必要な費用の出し方について検討してください。
●回答
実際の用水路の役割としては、ご意見いただいたような状況が多いと思われます。用水路の改修に当たっては、受益者負担が伴いますが、県や市の補助金が出る場合がありますので、農業振興課にご相談いただきますようお願いします。
敬老行事
■ご意見
敬老行事の運営費として、対象者1人当たり2千円が市から町内会に配分されていますが、町内会に配分するのではなく、例えば交通に不便を感じている地域への移動販売車の誘致など、高齢者の生活の支援に充ててはどうでしょうか。
●回答
地域にお住いのお年寄りを地域の中で敬っていただくということから、町内会単位で行事の方法を検討・実施し、市が応援するという方法で続けてきましたが、以前のように敬老行事になかなか参加いただけない、また町内会自体にも参加いただけないという中で、どの町内会でも苦労されているというお話を伺っています。ご意見等をいただきながら、敬老行事の在り方自体を見直していきたいと考えています。
環境衛生
■ご意見
鳥獣被害により生ゴミが散乱するため、ゴミステーションの設置を検討していますが、設置費用に対する補助の増額をお願いします。
●回答
町内会等の自治組織を対象に、ごみ集積かごに係る原材料費を補助する制度は、集積かごの材料費とともに、集積かご本体(完成品)も補助対象となっています。補助率については、本体価格の2分の1以内で、1基当たり40,000円を補助限度額としており、現在の運用を継続しながら、今後検討していきたいと考えますので、ご理解・ご協力をお願いします。
観光
■ご意見
世界遺産登録20周年を迎えるということですが、今後の熊野古道の観光について、長期的なビジョンをどう考えていますか。
●回答
観光客に来てもらうことで経済効果として当地域に還元される、観光客にずっと来続けてもらえるような、持続可能な観光を目指すことが重要だと考えています。民宿やゲストハウスなど、古民家をリノベーションして活用するような現在のスタイルで、これからも続けていくのがよいと考えていますが、他にも宿泊の選択肢を広げるという意味で、ラグジュアリーなホテルも必要かと思います。
また、スペインのサンティアゴ巡礼道と姉妹道提携を結んでおり、熊野古道と両方の道を歩くと証明書がもらえる共通巡礼手帳に取り組んでいます。来年は世界遺産登録20周年(かつサンティアゴ・デ・コンポステーラ市との観光交流協定締結10周年)であるため、両方の道を歩いてくれる人をさらに増やしていくことにも取り組んでいきたいと思っています。
開催目的
SDGsをはじめ、地域のデジタル化・脱炭素化など、新しい価値観の創造と社会の大きな変革の中で、新庁舎への移転、世界遺産登録20周年、市町村合併20周年など大きな節目を迎えることから、令和5年度を「次なる田辺の創生に向けたスタート」の年と位置付け、市長が市民の皆様と共に進めてきた、まちづくりの状況を報告するとともに、市民の皆様の声を直接受け取ることで、想いを共有し、市民の皆様と一体となったまちづくりをめざします。
開催内容
●市長からの報告
「これまでのまちづくりと今後の展望について」(45分程度)
(例)新庁舎移転、田辺ONE未来デザイン、SDGs、田辺市森づくり構想、世界遺産登録20周年など周年事業
●市政に関する意見交換等(30分程度)
●会場及び日程
まちづくり報告会 会場及び日程(95KB)