人権コラム「やさしさひろがる 人権の”わ”」
田辺市では、令和3年4月1日「田辺市人権尊重のまちづくり条例」を施行しました。この条例は、市民の皆さんと行政が一体となり、「一人ひとりが大切にされ、幸せを実感できるまち」を目指すことを目的にしています。
身近な人権について、皆さんにお伝えするため、令和3年6月から広報たなべにて不定期で人権コラムを掲載しております。
令和5年5月号 〜子どものしあわせを願って〜(第7回)
1989年に国連で採択された「子どもの権利条約」には、生きる権利、育つ権利、守られる権利、参加する権利といった、子どもの基本的人権を保障するための大切な権利が示されています。
しかし、近年インターネット等の急速な普及や、子どもを取り巻く環境の変化から、いじめや体罰、不登校、児童虐待など、子どもの人権が十分に守られていない状況があり、深刻な社会問題となっています。中でも、児童虐待は身体的虐待、性的虐待、心理的虐待、ネグレクト(養育放棄)と大きく4種類に分かれており、県内でも相談件数が増加しています。例えば、子どもを無視したり、自尊心を傷つける言葉を繰り返すなど、行き過ぎたしつけは心理的虐待となります。
しつけや指導はとても大切なことですが、子ども一人ひとりにそれぞれ人格があり、個性を持った存在であるということを忘れてはなりません。子どもは社会の宝であり、未来を担うかけがえのない存在です。子ども一人ひとりが、個性や能力に応じてその人らしく健やかに育っていけるよう、社会全体で守っていきたいものです。
令和5年8月号 ~外国人にも優しいまち~(第8回)
徐々に外国人観光客が増えてきていました。令和6年には「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産登録20周年の節目を迎え、田辺市を訪れる外国人観光客がさらに増えることが予想されます。
私たちも外国の方と接する機会が多くなると思います。もしかしたらバス停で困っている外国の方に会うことがあるかもしれません。皆さんは困っている外国の方を見かけた時、何かしなければという思いはあってもなかなか行動に移せなかった経験はありませんか。「外国語がうまく話せない」「声をかけるのが恥ずかしい」など理由は様々だと思いますが、「誰かが助けてくれるかな」という思いで、傍観者になってしまったことはないでしょうか。
日本で暮らす(訪れる)外国の方が増える中、言葉や習慣の違いやコミュニケーション不足から、外国の方が地域社会で孤立したり、人権侵害を受けるといった事例が少なくありません。
誰もが暮らしやすいまちの実現のためには、お互いの文化や習慣の違いを正しく理解し、コミュニケーションを深めるとともに、それぞれの多様性を受け入れ、お互いを尊重し合うことが大切です。
一人ひとりが大切にされ、幸せを実感できるまち 田辺市をめざして
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